腱鞘炎

皆さんは、日常生活で手や腕の痛みに悩まされたことはありませんか？

特に、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用、スポーツなどで繰り返し同じ動作をすることで、手や腕に痛みを感じることがあるかもしれません。

その原因の一つに、「腱鞘炎(けんしょうえん)」があります。

腱鞘炎は、手や腕の痛みの中でもよく見られる疾患であり、早めの理解と対処が重要です。

腱鞘炎は、手や指の腱を覆っている「腱鞘(けんしょう)」と呼ばれる袋の内側が炎症を起こす病態です。

腱鞘は、腱が摩擦を軽減し、スムーズな動きを助ける重要な役割を果たしています。

しかし、同じ動作を繰り返すことによって腱に負担がかかり、腱鞘内に炎症が生じることがあります。この炎症が腱鞘炎の症状を引き起こします。

腱鞘炎の主な原因として挙げられるのは、以下の点です。

過度な使い過ぎ: 日常生活やスポーツにおいて同じ動作を繰り返し行うことで、腱に負担がかかりやすくなります。特に、パソコン作業やスマートフォンの使用による指の過度な使用は注意が必要です。
姿勢や動作の不良: 正しい姿勢や動作を守らないことが、手や腕への負担を増加させる原因になります。例えば、間違った手首の角度でマウスを使うなどが挙げられます。
加齢: 年齢とともに筋力や柔軟性が低下し、腱や関節に負担がかかりやすくなります。
外傷: 事故やスポーツでの怪我によって、腱や腱鞘が損傷を受けることで腱鞘炎が発症することもあります。

腱鞘炎の症状は、以下のような特徴があります。

腱鞘炎の症状は軽度なものから重度なものまでさまざまであり、無理な動作を続けることで悪化することもありますので、早めの対策や適切な治療が必要となります。

腱鞘炎は、早期に対策を講じることで症状の進行を防ぐことができます。ここでは、腱鞘炎を予防するためのポイントと、発症した場合の治療方法について解説します。

適度な休憩とストレッチ: 長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用など、手や腕を多く使う作業を行う場合は、こまめに休憩を取りましょう。また、ストレッチや軽いエクササイズを行うことで、手や腕の筋肉をほぐし、血行を促進することができます。
正しい姿勢の保持: パソコン作業やスマートフォンの使用時は、正しい姿勢を保つよう心がけましょう。特に、手首の角度を自然な状態に保つことが大切です。
適度な運動: 日常生活だけでなく、定期的な運動も重要です。手や腕の筋肉を強化することで、負担を分散し腱鞘炎のリスクを減らすことができます。
筋力トレーニング: 特に、手や腕を多く使うスポーツをする場合は、適切な筋力トレーニングを行うことで、腱への負担を軽減できます。

安静と氷湿布: 腱鞘炎が初期段階であれば、炎症を抑えるために安静にして、痛みのある部位に氷湿布をすることで症状の緩和が期待できます。
炎症を抑える薬の使用: 痛みや腫れを和らげるために、医師の指示に従って非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）を使用することがあります。
物理療法: 超音波療法や電気刺激療法などの物理療法が行われることもあります。これらの療法は、炎症の軽減や血行の促進に効果があります。
ステロイド注射: 炎症が強い場合には、ステロイド注射が行われることもあります。ただし、過剰な使用は腱の弱化を招くことがあるため、適切なタイミングで行う必要があります。
手術治療: 重度の腱鞘炎や保守療法が効果を上げない場合には、手術が検討されることもあります。手術は専門医の判断で行うべきであり、事前にリスクやメリットをよく理解することが重要です。